« 香港よもやまばなし その3・中秋節(通算19回) | トップページ | 香港よもやまばなし その5・生活中国語(通算21回) »

2006年9月24日 (日)

香港よもやまばなし その4・月餅(通算20回)

*月餅三題*

1.月餅について

月餅は「中秋節」のお菓子として、中国で広く食べられています。
私は上海と香港の月餅しか食べたことがありませんが、中国内にはさまざまなバリエーションの月餅が存在します。
私が食べた事がある上海と香港の月餅は、中国の月餅の区分けの中ではそれぞれ「蘇式(蘇州式)」、「広式(広州式)」等と呼ばれているようです。

「蘇式(蘇州式)」… 何層にも重なった薄いパイ皮のような生地に包まれた月餅

「広式(広州式)」… 木型を使い生地を入れ、表面を焼いた月餅

一般に上海など北方のものは、水分が少なめの餡を使い、胡桃、松の実、ナッツ等を入れたものがポピュラー、香港・広東省近辺の月餅はどちらかというとしっとりした食感の餡を使った月餅が多いという印象があります。

私は松の実、ナッツ等が入った上海の月餅、しっとり感のある餡が入った香港の月餅、共に好きです。

2.月餅の起源、まつわる物語など

「月餅の起源」

こういった民間の伝統行事は、例によって出所がはっきりしないようです。
今回調べてみた所、「月餅」は中国の宋代ぐらい(1000年頃)より作られ始め、明代(1400年頃)に民間に広まったもののようです。

月餅にまつわるお話も中国にいろいろあるようです。
有名なものは、「嫦娥奔月(嫦娥月に奔る)」「朱元璋起義(朱元璋蜂起)にまつわるお話ー朱元璋は明の始祖、反乱を促す密文を月餅の中に忍ばせ仲間への伝達手段とし、反乱を成功に導いたというお話が残っている」などがあるようです。これらのお話は、中国人であればほとんどの人間が知っているお話のように思われますので、私が「第3回」「第4回」「第7回」「第13回」「第16回」でご紹介申し上げましたような中国語等を駆使し、中国の方と軽くお友達になり、中国の方とお話をし、聞き出してみるのも面白いかもしれませんね。(何か面白い話が聞けましたら、ご報告ください)

「月の中に見えるもの」

中国の人が見る月の中には何が見えるのでしょうか。
中国の人が見る月の中にも「ウサギ」住んでいるようです。ただし、中国の人が見る月の中のうさぎは薬を搗いているのだそうです。
私の身近にも一人中国人がいますが、「日本人が見る月の中のウサギは、お餅を搗いているんだ」と言った所、「特別な日でもないのに、日本の月の中のウサギは、なんで年がら年中お餅を作っているの。おかしい。」と言って笑われてしまいました。所変われば、感じ方も違うと言ったところでしょうか。

3、香港の月餅 (当項目の読み仮名は全て広東語読み)

香港の月餅は、「やわらかい小麦で作った皮に、やわらかい蓮の実餡を詰め、その中に塩漬けしゆでたアヒルの卵の黄身を入れたもの」が一般的です。
「美心(メイサム)」「奇華(ケイワー)」「榮華(ロンワー)」等、香港のさまざまなお菓子メーカーが月餅を売り出していますが、「大班(ダイバン)」という香港のパン屋さんが、1989年に売り出した「冰皮月餅(ベンペイユッベン)」という白い月餅が香港人に一番人気があるようです。
一般に月餅は、砂糖を多く含む他、ラード等の油脂分も含むため、見た目以上にカロリーが高いお菓子なのですが、「冰皮月餅(ベンペイユッベン)」は、(私も食べたことがありますが)実際にカロリーが低いかどうかはともかく、あっさりとした食感があり、口当たりの良い月餅です。私も香港の月餅の中で一番好きです。

「贈答、食し方等」

この時期香港の企業・庶民は、月餅の「現物」・「ギフト券」(または果物の詰め合わせ等)を、客先・親しい人に送ります。
このため、企業に送られてくる月餅は多く、従業員はそのおすそ分けに預かります。
(私も香港滞在中、そのおすそ分けに預かっていました)
香港の月餅は、四角く平べったいブリキ缶の中に4つ入りのものが多く、その中にご丁寧にプラスチック製のケーキナイフが入っています。月餅1個の大きさは肉まん程度のため、日本人ならそのままかぶりついてしまいそうになりますが、月餅は付属のナイフ等で4等分等にし、家族で分け合って食べるもののようです。
確かにカロリー的には、4分の1も食べれば十分です。それ以上食べるとしつこくてすぐにあきてしまいます。
私も会社から分けてもらった月餅は、付属のナイフでクロスに4分の1に切り、1日1かけらずつ食しておりました。

以上になりますが、少しは月餅が食べたくなりましたでしょうか。
また、お立ち寄りください。

――――――――――――――――――――

長野は本格的に秋に入ったようです。
日中、夜間の寒暖の差が激しい季節になりました。
風邪など召されませぬよう、お気をつけくださいませ。

----------------------------------------------
今回関連用語の中国語訳 (普通話)
「嫦娥奔月(チャン2オー2ベン1ユェ4)」 嫦娥月に奔る
「朱元璋起義(ジュー1ユァン2チャン1チー3イー4)」 朱元璋蜂起
----------------------------------------------

(「香港よもやまばなし」次回に続きます)

|

« 香港よもやまばなし その3・中秋節(通算19回) | トップページ | 香港よもやまばなし その5・生活中国語(通算21回) »

コメント

トラックバック、ありがとうございます。こちらを拝読して、月餅、食べたくなりました。月餅といえば、中村屋のくらいしか食べたことがありません。本物の月餅、全然違うものなのでしょうね……

投稿: けい | 2006年10月 7日 (土) 20時40分

けい様
ご丁寧にコメントありがとうございます。
中村屋の月餅、中国の人に月餅として受け入れてもらえるでしょうか?まあ、好き好きですから。日本人のお茶請けとしては最高だと思います。
貴ブログもまた訪問させていただきます。

投稿: 湯豆腐 | 2006年10月 9日 (月) 09時43分

トラックバック、ありがとうございます。

僕は、突然始まった、中国生活も終わり、日本で中国と縁のない生活に戻っていますが、3年間暮らした場所なので中国語よもやまばなし、拝読させていただきます。

投稿: ぞう | 2006年10月 9日 (月) 13時07分

ぞう様
コメントありがとうございます。
ブログを公開して1ヶ月少し。
筆まめではないため、更新が大変ですが、楽しみながら進めるようにしています。
上海郊外いいですね。
私も1988年ごろ嘉定県等を訪れたことがあります。
留学先の市内の大学より、自転車で「宝山製鉄所」を見に行ったこともあります。
貴ブログもまた拝見させていただきます。

投稿: 湯豆腐 | 2006年10月 9日 (月) 14時17分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 香港よもやまばなし その4・月餅(通算20回):

« 香港よもやまばなし その3・中秋節(通算19回) | トップページ | 香港よもやまばなし その5・生活中国語(通算21回) »